中世夢が原

井原市美星町には「中世夢が原」という観光施設があります。
広い敷地内に中世の民家や武家屋敷、市の再現がされており、東宝映画「あずみ2」やNHKの大河ドラマ「武蔵」で撮影にも使われました。

実を言うと、ただのテーマパークじゃろ?と思ってました。

 ところが機会があって訪れてみると、当時の建築技術を使って民家が作られているようにしか見えない。
古民家を移築した古民家園は見たことがあるけれど、新しく作ってる。しかも何棟も。
「鉋(かんな)のない時代、板材を作るのには鑿(のみ)を使った」というような説明が書いてあって、ほんとにすべての板材を鑿で削ってる…。
チュイーンて電気使わなかったの…?

この本気度は、ちょっとすごいんじゃないか?と思い出しまして、どんな経緯でこの場所を作ったのか知りたくなり、本を買いました。
地域おこし協力隊の先輩に「夢が原に本があるよ」と教わって見に行ったら、日に焼けた見本が置いてあり、受付の方が「どこにしまってたかな~」と探し出してきてくれました。
興味を持たれなくなって久しい感じ満載でしたが…
読み始めたら、この本面白い!

まだ序盤なんですが、中世という時代を「現在の生活様式の基礎が成立した時代」「封建社会=暗黒時代のイメージは支配者目線でのこと。むしろ権力支配の及ばない期間に民俗的な発展を遂げた時代」と定義づけ。
「稲作だけでなく様々な職能を組み合わせて生活しており、百姓=農民というのは間違った思い込み」というくだりに、しびれております。(内容を勝手に要約してます)

こんな「中世とは」の根本部分から論議して立ち上げていった、ものすごくアツい計画だったんですね…。

まだまだ、面白い話が出てきそうですので、また書きます。

 中世夢が原はイベントのできるスペースがあるので、大きなイベントの時にはたくさんの人が訪れるのですが、普段は利用者も少ないようです。
映画の撮影に使われるだけの、リアリティがある(ていうか、本物の再現)。

歴史好きや建築好きにも来てほしいです。
わたしは住宅設計を少しかじっているので、もうウハウハしながら見ました。
おなじくウハウハしてくれる誰かの目に留まるまで、またプッシュします。よ。