いばら暮らし体験ツアー 無事終了!

9月16日~18日の連休、岡山県井原市をめぐる「いばらぐらし体験ツアー」を行いました。今回は首都圏にお住いの方向け。

参加者募集に苦戦して、一時は催行すら危ぶまれましたが、何とか催行!そして台風こんにちは…!
逆風にさらされたツアーでございました…。

台風のため、予定変更もあり、美星天文台での天体観測もならずで、参加された方々には申し訳ない気持ちです。
でも、なぜかちょっと逸れて岡山県には直撃しない台風、台風一過の晴れやかな天気の中でぶどう狩り(風で落ちなかった!)、増水した小田川を見るなど、なかなかない体験ができるツアーになったのではないでしょうか!前向きに。

お蔭様で、今年度の体験ツアー、関西圏向け・首都圏向けともに無事終えることができました。
ご参加いただいた皆様、お力添え頂いた皆様、本当にありがとうございました。
(わたしは主催じゃないのですが…(^^;)ゞ )

眺め最高だが、嵐の気配を感じる星空公園。

古民家を改装した施設で、ぶどう就農に関するプレゼンと交流会

青いドングリいっぱい落ちてた
思えば、わたしも昨年夏のこのツアーに参加したご縁で、移住を決めたのでした。
一年後にはご案内する側に立っているとは思いませんでした。急激な変化に、ちょっとクラクラしますね。

去年のツアーの内容は、先輩移住者との交流会、地元のお祭り見学、ぶどう狩り、市内のバス案内と空き家の見学を一軒。

このメニューの中で一番の収穫をくれたのが、先輩移住者との交流会でした。

わたしたち夫婦は、有機農もしくは自然農を指標にした農業を、生活の軸にしようと考えていました。
最初は、各都道府県が行っている「新規就農支援制度」という、支援制度の利用を考えていましたが、昨年度は希望に合う地域での有機農家での受け入れがなかった。

美星町には「星の郷ゆうき無農薬研究会」というものがあるぞ!と下調べしていましたが、新規就農支援制度の受け入れ農家にはなっておらず…。体験ツアーを前にして、正直「井原は無理かな~」と思っていました。

ところが、交流会に招かれていた先輩移住者の方の中に、有機栽培で人参を作られている方がいたのです!
交流会では、3名の先輩移住者さんとコミュニケーションが取れるようになっていたのですが、その方に張り付きでお話しして、しかも交流会の翌日には圃場を見せてくれという粘着ぶりで、まぁその、すみませんでした。

結果的に、圃場の他、住まいや、自然農をされているご家族のところへ案内していただいて、とてもてとても実り多い旅にできたのでした。先輩、本当にありがとうございました!

都市部にいると、「田舎事情」が分からないのであれこれ過剰に心配もします。
そもそも移住者を受け入れてくれるのか、山間地に借家はあるのか、また、有機農や自然農で野菜をつくろうとすると、慣行栽培でやっている方と衝突してしまうのではないか、排斥されるのではないかと思ったりもしていました。(そもそも我々消費者が受け取る情報には、有機農VS自然農という構図もありますし…。)

でも、実際に眺めの良い古民家を借りて農的な暮らしを実現している様子を目の当たりにすると、なんとかなるんだな!と思ってしまえます。
先輩方も、「お金はないけれど」と言いますし、楽しているようには見えないのですが、自分が考えていたことは夢物語じゃないんだなと思ったのでした。
そして、眺めのいい縁側にお邪魔していると「なんか分からんが、がんばるかー」と思ってしまったのでした。

(そして、ハードルは、農法云々の前に、そもそも移住者が畑や家を借りられるかどうかの方だと、後で知ります。笑)

山にしても星空にしても、写真でみてきれいだなーと思っていたのと体感とは大きく違いますが、こういう「暮らしぶり」のようなものにも体感があり、文字や写真とは大きく違いました。

移住は一生の一大事ですから(横浜にずっと住んでいたわたしには、結婚以上の衝撃です)、安全策をとることはもちろん重要なポイントですが、エネルギーのいる決断だからこそ、自分の中に感動したりワクワクしたりの「燃料」をくれる場所を見つけることも、移住地探しの上では重要だと思っています。

農業について考え始めた当初、東京麹町にある新規就農相談センターへ伺いました。
そこで相談員さんに言われたのが、
「広く浅くの情報集めより、ここはと思ったら深く入っていった方がいい。」
確かにそうだと思います。

たくさんの情報があっても迷いが多くなるばかり。
深く入って、繋がりをつくることで得られるメリットは多いと思います。

候補地には何度も足を運んだ方が良い、という方もいます。
資金的な制約もあり、わたしたちはたった2回の下見で決めてしまったのですが…(笑)

ツアーの良さは、自分なりの体感を得られること。
そして、惹かれるものがあればもう一歩踏み込む糸口を捕む、きっかけを得られることだと思います。結果、当たり前のことしか言ってないですね。(笑)

また来年度も、井原市主催の体験ツアーが催される予定です。
どのような形になるかはまだ未定ですが、ご予定が合えば是非ご参加ください。
お待ちしています!